とけいのあおくん

絵本

本の紹介

作・絵 エリザベス・ロバーツ 作・ 灰島かり 訳・ 殿内真帆 絵
出版社福音館書店
価格900円+税
サイズ・ページ数20㎝×27㎝ ・32p
読み聞かせの年齢・時間の目安2歳から・10分

あらすじ

小さな青い目覚まし時計のあおくん。時計屋さんの棚で買われるのを待っています。男の子とお母さんが、お父さんの誕生日プレゼントを買いにやってきます。大きい時計の間に挟まれて目立たないあおくんですが、男の子に気に入ってもらえます。無事にお父さんのプレゼントになれたあおくんですが、うまくベルを鳴らしてお父さんを起こすことができるでしょうか?ドキドキしながら朝を迎えるあおくんと一緒にドキドキを味わう絵本です。

読み聞かせポイント

  • 時計たちの針の音が面白いので、それぞれの個性に合わせて読んであげましょう。
    「カッチン がっつん、コッチン ごっつん」「ブーン ブーン ブーン」「タクタク タクタク」  目覚ましのベルの音も素敵です「ルリーン、ルリーン、ルリーン」
  • たくさんの時計の中から選んでもらうシーン、朝目覚ましを上手く鳴らせるか夜中に不安になるシーンと大きなドキドキが2回あります。感情を込め過ぎずに読むと子どもたちが入り込みやすと思います。
  • たくさんの色がついて華やかなページと色味が抑えられているページがあります。特に読み方を変えなくても良いと思いますが、あおくんの心情に合わせて意識してページをめくりましょう。

子どもの反応

読む本を失敗したかな?と思うほど静かになります。心配になり、読みながら子どもたちの顔を観察して、集中して見てくれているのね、とホッとします。

あおくんが時計屋さんでプレゼントに選ばれるシーンと最後に見事目覚ましを鳴らすことができたシーンでは、子どもたちから「ふー」と安堵の息を吐く音が聞こえるくらい息をつめて見ています。その後「よかった〜」の声が聞こえます。

ある時、読み終わった後に子どもが「あおくん、にっこりしてるね」と言いました。私は気づいてなかったのですが、時計たちは口が描かれていませんでした。しかし目覚ましを鳴らし、お父さんにほめられるページからニッコリとした大きな口が描かれていました。あらためて子どもって本当によく見ているんだなぁと感心した出来事でした。

読んでみて思うこと

最初、お洒落な本だなぁと思いました。飾っておいてもいいかもと思いながら読んでみると、面白くて絶対子どもにウケると思い、すぐに購入しました。普段はあまり本を増やし過ぎてはいけないと思っていて、購入するまでにすごく悩んでいるのに即決でした。

冒険したり大きな出来事があるわけではなく、こんなに身近な内容でドキドキする本はなかなかありません。お父さんの誕生日に時計をプレゼントして、朝、目覚まし時計が鳴るだけなのですから。
また、あんまりお洒落な色合いの挿絵なので、失礼ながら外国の方が描いたのかと思いました。なかなか日本では見かけない色合いですよね。調べたら、このイラストを描いた殿内真帆さんは2015年にフルラとコラボレーションしていました。そこでは絵本のイラストレーターと紹介されていました。確かに絵本画家というよりイラストレーターという感じですね。

子どもの本らしい色合いではないのですが、子どもがこんなに集中するのはやはりお話も素晴らしいのでしょうね。訳もスムーズで大好きな本です。


大人も持っていたくなる絵本です

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